理事長ご挨拶

認知症の問題解決は、21世紀に直面する少子・高齢社会の喫緊な国家的な課題に浮上してきました。
1990年初頭、全国でわずか60万人だった認知症患者は、厚生労働省の調査で2012年には既に462万人にまで膨らみ、それが8年後の2025年には700万人、戦後の団塊世代が後期高齢者の仲間入りする時代には1000万人を超えるという幾何級数的な推計値も出ています。

65歳以上の実に「5人に1人」の割合です。認知症は予防と介護のみならず、介護者のケアの必要性も叫ばれています。厚労省はこうした現状を踏まえ、2015年に「認知症施設総合戦略」という認知症高齢者に優しい地域づくりを目指す「新オレンジプラン」を策定して、全国展開しています。

認知症は、現時点では残念ながら「こうすれば認知症にならない」という方法がないのが現状です。また、根本的な治療方法も開発されていません。

さらに問題なのは、予備軍的な「軽度認知症」(MCI)への対応です。その数は全国で400万人と推計されています。

認知症予防・改善推進会は、こうした認知症患者の皆さん、それにMCIの方々を対象に、認知症専門医による定期的検診で記憶や認知機能を確認する基盤を提供することを目的に設立されました。当会が提供する定期的な検診を通して、多くの高齢者が早期から予防検診を受けられる新しいシステムを構築するのが目的です。それによって、自分にとって適切な予防策や改善方法を見出すことが可能になるからです。

当会は、これまでに積み上げてきた知識と知恵をこれからも社会に還元、安心社会のシステムづくりに力を注いでいきます。どうか、変わらぬご支援、ご協力の程を心からお願い申し上げます。

一般社団法人 認知症予防・改善推進会
理事長 佐藤 哲朗

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